ジオパークに向けて動き出した隠岐
島根県隠岐島の自治体、経済関係者や島根大の研究者が地質遺産や自然環境に恵まれた隠岐島の「ジオパーク(地質公園)」登録を目指し、六月十日ごろに推進組織「隠岐ジオパーク水深連絡協議会」を設立する。まずは国内版ジオパーク「日本ジオパーク」認定に向け、同月中旬に関係機関に申請する。
何気に「水深」と誤字になっているのはご愛嬌でしょうか。
なんにしても、これでようやく隠岐としてジオパークに向かっていくという意向と体制が明確になった。
後は、申請の〆切が6月19日なので、それにあわせて申請書類を作成していくということになるでしょう。
ちなみに、隠岐の地質というのは評価が高いようで、
島根大総合理工学部の高須晃教授(地質学)によると、隠岐は国賀海岸やトカゲ岩など地形の美しい名所があり、三十億年前の鉱物を含む隠岐片麻岩など学術的に貴重な岩石を産出。地質遺産として価値は高いという。
ということです。
今後は、島前3町村にも説明して、一緒にやっていく体制を作っていくことが必要ですね。
ジオパークとは*1
一応、ジオパークのことを簡単に説明しておくと、「大地」を意味する「ジオ」とパーク(公園)からなる造語です。
このジオパークは、世界遺産を認定・登録するユネスコの管轄?で、世界ジオパークとしてユネスコが認定するものです。
認定を受けるためには
- 世界的に優れた地質を有していること
- それを保護し、後世に伝える体制ができていること
- 教育・研究の体制ができていること
- 見学・観光等で地域への経済発展につながること
などが考慮されます。
地質だけではない
認定を受けるためには、というところでも書いていますが、世界ジオパークは地質だけが優れていればいいというわけではありません。
大雑把に言えば、地質とは大地であり、私たち人間は大地の上で生活しています。
そのため、大地の上で営まれる人間の生活様式、文化、経済活動はもとより、生態系、自然環境、食物や食文化などもすべて評価の対象となるものです。
もう少し雑に言ってしまえば、地域での暮らしのあり方そのものが問われているのではないでしょうか。
よって、地域に暮らす人々の認識や理解も必要ですし、それらを深めるための教育・学習のシステム、またその基盤となっている地域資源を保全するための仕組みなども必要です。