美郷町 若者呼び込みへ知恵 | asahi.com

島根県の美郷町が若者の定住促進に向けて思い切った策を講じた。

新築戸建て家賃3万円 25年住めばプレゼント

ただ、これね、島根県内で言えば旧弥栄村が同じような事業をしていたんだよね。

入居条件

で、入居条件がこんな感じ。

入居できるのは小学生以下の子どもがいて、20年以上住み続ける意思がある40歳以下の夫婦。20年住めば住宅、25年間住み続ければ土地ももらえる。25年分の家賃総額900万円で家と土地が手に入る計算だ。

うーむ。子持ち限定っすか。そうですか。
子どもがいない夫婦は弾かれるわけだ。

他地域の反省を踏まえて

弥栄でも同様の事業を展開していたことは上で書いたとおり。
実際にUIターンで100人単位で増えた実績はあるんだけど、課題も残されている。

  • どこまで行っても中心と周辺の対立

「対立」と書くとちょっと煽り気味だけど、実際、こういう住宅が建つところって新しく入る人の利便性を考慮して中山間地域の町の中でも中心部に近いところにゾーニングされる。
そうすると、今問題になっている「限界集落」と呼ばれる集落あるいは、その予備軍には新たに人が入っていかない。
そういう呼び込む機会があるのに、縁辺部はやはり無視されるのだ。
そして、5年後、10年後には同様に集落の無人化や耕作放棄地の増加などが問題視されるのだろう。

ここをぜひ今のうちから対策を考えておいてほしいと思う。
新しい人が入ることは地域にとってはいいことなんだから、それを中心部だけでなく縁辺部の人も享受できるようにしないと。

  • 帰っちゃったときは?

記事によると、家はこれから設計・着工するらしい。

入居者の希望に応じて設計するため着工は今秋、入居は来春からだ。

仮に、建設後に入居した人がいなくなった場合、その住宅はどうするのか。
まぁ、普通に考えれば町営住宅として再募集して、次に入る人が25年後に取得するんだろうけど、その場合自分の希望の設計ではないのに、他の希望通りの設計をして取得する人と費用負担は同じで良いのかといった問題もある。

なんにせよ人が住まなきゃ話になんね

これは弥栄であるおばあさんから聞いた言葉。
まぁ、達観した方である。

町としてはこれで人が移住してくれれば事業としては成果をあげたことになるんだけど、それが地域の課題を解決したかと言われるとちょっと微妙な問題が残されるということが分かると思う。

要は中山間地域の町において、さらに縁辺部に住む人々がどのように満足感を得て暮らしていけるのか、という視点ではないということ。

締め切りと連絡先

5区画の募集に対し、20日午後までに13件の申し込みがあった。締め切りは6月末。問い合わせは町企画課(0855・75・1924)へ。