限界集落に対する意識

西日本新聞
競争原理VS保護政策 「限界集落」ネットで火花 地方の疲弊は都市にも影響 末端に居座り…税金の無駄
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/5342/?autonum=5342

限界集落を保護することに対する不満が出ていることを取り上げている。
その中で、次のような言葉で地方の条件不利地域に暮らすことを擁護している。

 ■反発相次ぐ
 この問題提起に、地方側に立つ人たちから反発の言葉が相次いだ。
 「住み慣れたところから離れたくないのは当然の感情」「山村は手入れも何もしないと、川、山自体も崩れます」
 総じて、地方の実情を知らない都市住民への不満が目立った。「地方の疲弊が進むと、食料を大量に消費し続ける大都市の存続にも影響する」と訴え、都市住民に理解を求める記述もあった。
 地方の主張はさらに、国防や安全保障論にも及んだ。「無人の地域が増えれば、国防上も好ましくありません」「管理保護しない地域は国土ではないと、他国から奪われそうな気もします」

僕は、あくまでもこのOK Waveの質問者が言うような、条件不利地域に暮らす人間はすべて都市拠点に移住しろ、という暴論は支持できない。

この人が言うのはすべて「効率性」の話に終始している。こうした方が効率的で税金が無駄にならない、都市から農地に通えば効率的に管理できる。
この「効率性」というもの、大事だと思う。大事だと思うけど、それを全国どこでも、全国民誰にでも当てはめようとすることにそもそも無理があるんじゃないだろうかと思う。

そして、こうした暴論に対する反論としては上にあげたようなものが一般的だと思う。
だけど、僕はやっぱりこういう反論では弱いと思ってる。弱い、というよりやっぱり分からないよ、実感がわかない言葉というか。
ただ、それに代わる、納得できる答えを用意できない自分の力不足を感じる。
その代わり、これだけは言えるかも。食料自給率が低い中で、今後どれくらい食料が安定的に輸入できるか不透明。それに、今回の三笠フーズじゃないけど、食料不安が広がったときに、そういう不安からもっとも遠いのが中山間地域であり、条件不利地域であろう。そして、一番困るのがおそらくは都市部の人たち。金で地方の食料を買えば済む、外国の食糧を買えば済むという状況ならまだしも、そうならない可能性があるわけで。

中山間地域では少しデータは古いけど(たしかH13年頃の…)、米で38%、野菜で30%、果樹等で45%(数字はうろ覚え)くらいのシェア。現在は、農業の担い手が減っていることと、耕作放棄が進んでいることからもう少し下がっているだろうけど、とにかく、条件不利地域と言われるところで国内の生産のおよそ3割を担ってきた。そして、そこに住む人々の自然を相手に生き抜いてきた力、過小評価しても良いものではない。尊敬を持って接するべきである。

効率性を基準とした物言い、ものの考え方に対してはノーと言っておきたい。