食料を自給するということ

この前、大学の講義で「安全な食」、「食糧保障」などについて聞いた。

見せかけの食料自給率

今、自給率には注目が集まっていて38%とか、丸めて40%とか言われている。
しかし、実際には飼料・肥料の多くを輸入に依存しているため、これは見せかけであり、そうした飼料・肥料も含めて考えると、限りなくゼロ%に近いということ。

もう少し言えば、農作業で使う機械の燃料も輸入ですね。
つまり、日本の農業の基盤ってノウハウや技術はともかく、資源の多くを外国に依存していると言えます。

窒素・リン酸・カリウム

肥料としての三要素で、欠かすことのできないもの。なんだけど、窒素以外は輸入に依存。
ちなみに、窒素も肥料化する過程で高熱・高圧処理が必要となるため、間接的には依存。
窒素の吸収率は2〜3割程度、リンに至っては1割程度ということで、ほとんどが土地に流出している状況だそうです。

リン鉱石の枯渇

そして、リン酸の原料となるリン鉱石の枯渇が実は問題視されている。
実際にアメリカは輸出をストップしており、中国も関税100%課税するなど、実質的に輸出をストップさせている。世界の流れとして、こうした鉱石資源の囲い込みが始まっているようです。

こうしたことが昨年の肥料価格の高騰を招いたようです。

肥料投入量

うろ覚えなんだけど、日本、韓国、オランダといった国々で肥料の投入量が極めて大きいという資料があった。
一方で、アメリカはオーストラリアでは非常に少なかった。
この差は何を要因として発生しているのか。
答えは、国土面積≒農地面積。
日本や韓国のように国土が狭いと、単位面積当たりの収量をあげるしか食料の自国生産を増やす方法がなく、そのために肥料を大量に投入する、と。
広い国では、大規模な農地があり、肥料は少なくて済む、ということだそうです。

じゃあ、どうしようか

ということであれば、日本は今のまま肥料をはじめとする農業資材の多くを輸入に依存するだけで良いのか。食料の輸入以前に、下手を打つと国内で生産することが難しくなる可能性すらある、ということなんだなぁ。

となると、未利用資源の活用を考えて、少しでも国内で資源を確保することがまず必要なんだろう。
そのためには、全国各地で昔ながらのノウハウにもう一度光を当てていくことが必要に思う。
そうした側面に光が当たるということは、高齢化・過疎化する地方、中山間地域において主力となる農家の人に光が当たるということで、地域の活性化の一歩にもなるんだろうと思う。
ただ、そうしたことが過剰に負荷をかけることになってはいけないとも思うけれど。