建設業の苦境

山陰の建設許可業者数 全国で上位の減少率 | 山陰中央新報

山陰が非常に厳しい状況にあります。

裏を返せば、これまで*1山陰における建設業は、かなり恵まれていたように見える。

下のグラフは島根県の普通建設事業費の推移を見たもので、1998年度(平成10年度)を100としています。

一目瞭然ですが、まさに転げ落ちるように普通建設事業費は減少を続け、平成19年度には平成10年度に対して39%にまで落ち込んでいます。

地域において雇用の受け皿となり、一定の役割を果たしてきた建設業が今大変厳しい状況にあり、ある企業は農業参入、ある企業は水産業参入、ある企業は観光業参入を図るなど体力があるうちに多角化に乗り出すケースも見られます。*2

なんにしても建設業者さんが廃業するということは、従業員とその家族も困り、地域の飲食店などへの影響も少なからずあるので、建設業者さんが事業継続できるような仕組みが必要になっているのでしょう。

なので、国土交通省では「建設業と地域の元気回復事業」を今年度から打ち出しています。

結局税金を使って事業を進めていくことになるので、こうした事業に採択される地域では何とか実のあるものにしてもらいたいと思います。

隠岐の島町の状況

島根県全体が厳しいことは分かったかと思います。
では、離島である隠岐の島町はどうなんでしょうか?

下のグラフ*3からは、やはり厳しい状況であることが見て取れます。


しかし、気になるのは2006年の段階で県の普通建設事業費が4割にまで落ち込んでいるにも関わらず、隠岐の建設業従業者数は2割程度しか減少していないという点と、なぜか事業所数が大きく増加している点です。

事業費が6割減なのに、従業者数が2割減に抑えられているというのは、地域の雇用の受け皿である、という責任や、ここを堪えれば、という思いがあるのかもしれません。

とにかく、ここから分かるのは、事業費から見ればもっと従業者数が減っていてもおかしくないのに、それほど減っていないということです。

次に、なぜか事業所数が大きく増加した点。
よく分かりません。何かの間違い?と思い、何度もデータを見直したんですが、間違いではなさそう。
となると、独立?わずか2年間で40社強も?

うーん・・・。わかりません。

*1:と言っても、平成11年度をピークに急降下している状況ではある

*2:これがリスクヘッジでありポートフォリオと呼べるのかな??

*3:出典:事業所・企業統計調査