放牧酪農でつくられる牛乳

ちょっと前に酪農について集中的に調べている時期があって、その時には2つほど酪農家さんにもお話を聞いたり、実際にいろんな牛乳やヨーグルトを食べ比べてました。

その中で、放牧酪農をしている牧場の牛乳やソフトクリームを食べる機会があり、いただいたんです。
食べる前のイメージは、放牧というと牛に優しいイメージで、そういう育て方だと牛乳もきっと濃厚なんだろうな、というイメージ。

ところが、飲んでみたり食べてみたりすると拍子抜け。拍子抜けというとちょっと語弊があるかもしれませんが、決して「濃厚」ではない。

???と思って話を聞いて納得しました。

そもそも、「自然放牧すればこんなもんだ」ということ、「濃厚」というのは何らかの人工的な調整(濃厚飼料を与えたり)するから自然につくられる以上に「濃厚」になるんだということでした。

ここまでは普通のお話。

面白いなと思ったのは、このいただいた商品についてのweb上での評判。
この中に、「ここでいただいたソフトクリームはすごく濃厚で美味しかった!」というコメントがありまして、これはきっとイメージが先行した結果なんだろうなと。

人の味覚というのは当てにならない、ということを言いたいのではなくて、人は味覚だけで味を判断していない、ということの表れなんだろうと思います。

つまり、商品にはストーリーが必要だ、生産者がどういう思いで作っているのか伝えることが必要だ、イメージ戦略が重要だ、というのは間違いないことです。

いくら生産者が美味しいと思っていても、それを味わう人にそう感じさせることができなければ買ってはもらえない。

ただ、勘違いしている人にはやはりきちんと、「うちのは○○だから、濃厚ではないんだよ」と伝えていくことも重要なんだろうなー。