八ツ場ダムのアレコレ

太平記に似る国交相 | 山陰中央新報

山陰中央新報社のweb版で見つけた記事です。

前原国交相を批判した記事ですが、お粗末な感がぬぐえません。

南北朝期、青砥左衛門という武士がいたそうで、その武士が10文のお金を暗がりの中に落としてしまったというエピソードから導入。
その青砥左衛門は10文を探すために50文の大金をはたいて松明を買って探し当てたというもの。

このエピソードから山陰中央は想像します。

どこか前原誠司国交相に似ている。ムダな公共事業の象徴としてやり玉に挙げた八ツ場ダム。総事業費4600億円のうち既に3200億円を投入、7割方完成している。「もったいない」と普通は考えるだろう

ごめんなさい。ここから既によくわからない。
まぁ3200億をかけたダムが完成間近だからそれを放棄することを指してるんだろうけど。
でもそもそもこの4600億だって、怪しいと言われるような数字なのに……。
たしかに、「もったいない」とも思うけど、お金の問題ではなく、個人的には国と地方の契約に基づき了承された住民の心情を大切にすべきかなと思ってます。


もう一つ、致命的かなと思うコメントがあります。

左衛門は小利大損の批判に、こう答えた。「10文の銭は捜さなければ沈んだまま。松明を買った50文は商家にとどまる。合わせて60文。1文も失うことなく、すべて天下の利益につながる」

これはなぁ……。松明は使い切れば終わりだけど、ダムは作ってから維持費がかかるということに触れなきゃダメだろうに。
要は費用対効果で言えば非常に効果が薄いとされているダムをこのまま建設すれば、さらに維持費が高くつくから、という趣旨で国交相は話してるんだと思うので、批判するならその部分を正面から応えないと。

これじゃランニングコストを考えない、地方の公共事業頼み、というイメージから脱せないと思います。
そして、こんな記事を山陰の機関紙が載せたというのが何とも悲しい。


個人的には、こないだの太田総理で太田が言ってた案が現実的かなと思ってます。
以下は個人的な考え。

  • ダム中止は受け入れる
  • ただし、住民の生活安定、地域振興のための何らかの予算措置と国としてのアドバイス、協力体制をきちんと作らせる
  • 国交相とぽっぽ鳩山にはきちんと謝罪させる
  • それを飲ませることで「公共事業に執着する地方」というイメージを払拭する
  • 新しい地方再生のモデルとして協力を各所から得られる体制をつくる

このへんが妥当じゃないかと思います。

地域の方の心情は想像するに余りありますが、ダム廃止の流れは止まらないと認識し、ずる賢くてもきちんと地方の生活維持と活性化に目を向けさせましょう。
でなければ、子ども達が戻ってきません。
あぁ、ここで生まれてここで育って良かった、そう思える地域にしていくことが大事なんじゃないかと思います。
ダムでごねても、それは達成できないでしょう。
いま住んでいる中高年以上がただ徒にごねて、交渉の余地を自ら削ってしまっては子ども達ががっかりするのではないでしょうか?

国に振り回されてきた半世紀の怒りはもっともです。
できることならそのままダムができれば、とは思いますが、それは無理でしょう。
誰かがマニフェスト病と言ってたように、何を言っても「マニフェストに書いて民主党が圧勝した」で聞く耳持たず、でしょうから。

なら、次善の策として、きちんと次世代に繋がる取り組みを考えてみませんか?