きれいな棚田を守るということ
島根県吉賀町で棚田まつりがあったらしいです。
三浦会長は「高齢化や後継者不足など悩みは多い。なかなか解決策は見つからないが、お互いに助け合い、これからも棚田を守っていきたい」と話した。
棚田ってめちゃめちゃ綺麗なんですよね。
でも、その景観を守るためにどれだけ労力がいるのか、ってことにはなかなか目が向かない、というのが実際のところではないかと思います。
草刈だって、1回やってお終い、というわけにはいかないんですよ。夏場なんて、ほんとにすぐ草が生長してくるから数回は刈ってやらなければいけません。
しかも、高齢化し、人数が減る中で今までと変わらない面積を維持していこうとするんだから、当然一人当たりの面積は増大します。
地域によっては、集落内で一人しか農業できない、というところもあります。
そうなると集落内の農地の大半をたった一人で維持・管理していくことになります。
若い後継者の確保もめどが立たず、ご自身は毎年年老いて行き、主に70代なので当然なんらかのご病気も抱えているわけで、ジリ貧状態です。
だからこそ、先ほど引用したコメントは重いんですよ。
こういうイベントをするにしたって、関係者の大変な準備、努力があってこそなので、12年も続けておられることは本当にすごいことだと思います。
大変ならやめて都会へ引っ越せばいい、という議論は常につきまといますが、それはあまりにも極端な議論かなと思います。
そこに住み続ける希望や意思があり、そういった人たちが中山間地域で農地や山林を手入れしているから食料やエネルギー、水や空気が循環している、ということにも思いを馳せていきたいと思います。
■参考まで
弥栄「郷づくり」通信♪
島根県浜田市弥栄町、旧弥栄村で取り組まれている、持続可能な中山間地域についてのさまざまな取り組みが紹介されています。
林業や農業の現場の写真が多く、参考になります。